グローバル社会の民衆宗教という事象をヘゲモニー、実践コミュニティというテーマで考察した。具体的には、キューバにおいて、グローバル化に影響された国内外の諸変化により、政府の宗教政策が変化し、それまで抑圧の対象とされてきたヨルバ系宗教など民衆宗教的実践が社会の中で顕在化事実について考察した。 そして特に、政府の影響に基づいて発展するヨルバ文化協会の影響下では、本来の家族的紐帯に基づいた実践コミュニティ的宗教文化の形体が変容しつつある点について述べた。またそのような政府よりの組織化の流れに対し、アフリカ回帰主義的動向が顕在化しているという現象について論じ、その宗教的正統性をめぐる動向を考察した。
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