研究課題/領域番号 |
26380002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 哲志 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50401013)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フランス法 / 比較法 / 贈与 / 家族財産法 / 夫婦財産 / 相続 / 原因 / 報償 |
研究成果の概要 |
贈与が単なる自発的な慈善行為を意味しないことは、人文社会諸科学において常識の範疇に属する。交換(echange)の一形態として贈与が語られ、それを強制する契機に視線が投ぜられる。以上の理解は、贈与を一回的で自由な行為と構成する法学に対する異議申立てといえる。しかし、法学からの応答は十分にはなされてこなかったのではないか。本研究は、贈与を警戒しつつ利用するフランス法を素材として、法的規律の背後に存する贈与観を析出しようと試みるものである。「贈与における原因概念の意義の解明」及び「家族内贈与に関する諸法理の分析」が具体的成果である。
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自由記述の分野 |
フランス法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は大きく二つに分けられる。第一に、動産につき引渡のみで実現される手渡贈与(don manuel)を史的に掘り下げることで、「贈与は契約である」という命題に反省を迫った。第二に、報償的贈与(donation remuneratoire)の法理を検討し、家族内での無償行為(贈与及びサーヴィス)はそれぞれが一回限りで完結するのではなく、報償関係の下に捉えられることを明らかにした。いずれもある意味では常識的であるが、法学的には自明ではない。このこと自体が法学的贈与観の特異性を示唆している。
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