どのような属性を持つ者が「司法アクセスからもっとも遠い」という意味で「弱者」といえるかについて、いずれの社会でも①弱者度を構成する複合的な要因(属性)を抱える当事者、②1つの要因が他の要因を招く「負の連鎖」を抱えている当事者が顕著であるという共通点をみることができた。 また、司法アクセスが困難な者を専門家につなぐための非専門家の「仲介者」が重要な機能を果たしていることも共通の現象として確認できた。 さらに英国やカナダと異なり、日本においては家族制度など既存の枠組みの外に置かれ、社会的認知が不十分であるため、「性的マイノリティ」当事者はより深刻な司法アクセス阻害の問題を抱えているといえる。
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