研究課題/領域番号 |
26380006
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大屋 雄裕 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00292813)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アーキテクチャ / 近代的個人 / 自由 |
研究実績の概要 |
従来から主たる分析の対象としてきた法とアーキテクチャについて、個人の統制を実現する手段としての共通性に着目した整理を準備し、今後の研究に向けた基礎的な理論構築を行なった。また、近代的人格とそれを基礎にした社会的秩序に対して認知科学・複雑系科学等から提示されている問題点について調査を行ない、他の社会秩序像との比較を行なうための基礎とした。成果については論文(共著書の一部、刊行予定)として提出したほか、主として経済学者とのワークショップ、全国市議会議長会職員研修における講演等において展開している。 なお、予定していたアメリカのゲーテッド・コミュニティに関する現地調査については、日程上の問題等もあって以降の年度に先送りすることとし、理論構築作業を優先することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アメリカでの現地調査を延期するなど予定より進展の遅れている部分もあるが、全体的な理論構築作業・成果の発表については順調に進展している。監視社会論との関係において、ドライブレコーダーの活用と限界をめぐる共同研究に着手するなど、実際の社会的課題との関連性についても進展が見られる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の研究成果を踏まえ、法・アーキテクチャ・市場を含むさまざまな統制手段について、近代的人格との関連性に注目しながら分析を行なう。またその成果を体系的に整理し、隣接分野・自然科学とも共有可能な議論の枠組を形成することを目的とする。 引き続き文献調査を進める一方、他分野の研究者・実務家との交流・共同研究などを通じて検討を深化させることを重視する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたアメリカでの現地調査について、調査対象との調整・日程の確保等で予定通り進行しなかったため、次年度以降に実施することとした。このため、当該調査に必要とする旅費および関連する物品購入経費等を次年度以降に使用すべく繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
アメリカでの現地調査については引き続き予定するが、平成27年度内に日程的に十分な期間が確保できるかには引き続き一定の留保が必要な状況である。科研費以外の研究プロジェクトによりフランスでのワークショップ・学会報告が予定されており、そちらとの調整も必要となるため、場合によってはヨーロッパでの調査を優先するかそちらに振り替えることを検討している。
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