本研究の目的は、法に従う義務である遵法義務を、法的状態を実現する義務として理解した上で、法的状態の根本的な契機を理論的に解明し、法的状態を実現する義務の正当化根拠を探求することにある。従来提示された諸理論を批判的に検討した上で、本研究は、法的状態を実現する義務の正当化根拠が、個人の独立としての自由を尊重する義務であることを示した。その法的状態を実現する手段として、国家には消極的意義と積極的意義があるものの、法的状態を実現するためには不十分であることを示し、結論として、地球共和国が要請されることを示した。
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