研究課題
本研究の最終年度までに、研究代表者は、民事紛争解決と信託・フィデューシャリーとの交錯する分野について、調査研究を進めた。最終年度も、国内での研究成果に加え、韓国ソウルとイギリス・ケンブリッジなど海外の学界でも精力的に報告を行うとともに、論文も公表することができた。ケンブリッジでのワークショップの報告は、今後出版される書籍の1章として収録される予定である。研究代表者の本研究を総括し今後を展望する主な業績として、「外国法の参照・日本法の参照」を挙げる。共同研究者も充実した調査研究と成果を上げることができた。具体的には前年度の日米法学会で報告した「アメリカにおける放棄された財産の有効活用」を論文として公表したほか、「デラウエア会社判例理解のための手続法的基礎」と題する連載を商事法務誌にて公表した。我が国においてもアメリカにおいても連邦の民事訴訟法ばかりが注目・研究されるアメリカ手続法であるが、実際には多くの民事訴訟が行われる各州の研究は存外少ない。世界中から注目を集める会社訴訟が頻発するデラウェア州の特に衡平法裁判所における民事手続につき、連邦と比較しつつ概観し、典型的な会社訴訟に関する和解に関連する検討も行った。英米の多くの法域でコモン・ローとエクイティが手続上一体化された現代においてなおエクイティ裁判所を保持するデラウェア州であるが、その強力かつ柔軟な権限を活用し、多数当事者が複雑に絡む会社訴訟を中心に存在感を維持していることが明らかとされた。最終年度は、行岡睦彦氏と熊代拓馬氏にも研究協力者として調査研究・論文執筆に加わっていただくことができた。英米研究者によるエクイティの伝統の側からのアプローチと、会社法研究者による実定法からのアプローチを統合することで、最終年度にふさわしい充実した業績を上げることができた。今後さらなる広がりを展望できる成果でもあると考えている。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (22件) (うち国際共著 1件、 査読あり 22件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件)
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