研究課題/領域番号 |
26380018
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
和田 仁孝 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80183127)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 被害 / 不法行為 / 医療事故 / 原子力被害損害賠償 / 法社会学 / ナラティヴ / 文化的実践 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
本年度は、被害の意味構成に関する理論仮設の構成を主たる課題として研究を推進した。このため、第一に、心理学、社会学等の被害認知や責任認知に関する文献を検討し、実質的な調査や理論化の準備を進めていった。第二に、既に進行していた震災後の原発事故被害者への質問紙調査の結果を、こうした観点から詳細に検証し、複数の論文として中間成果を発表したほか、国内及びアメリカにおいて研究会にて発表を行った。第三に、医療事故領域で、事故に関与した経験を持つ医療者、被害者にプレリミナリーなインタビュー調査を実施し、また病院管理者、医師会関係者などと、調査実施に関する協力を得るための折衝を行った。また医療事故についても、その中間成果について、国内外で、論文発表、学会発表を行った。 さらに、本研究の理論面での国際共同研究については、25年度(26年3月)にDavid Engel ニューヨーク州立大学教授を中心とする研究会(平成26年3月7-8日、於パシフィック・マクジョージ大学)で、発表を行うとともに意見交換をおこなったが、本研究開始後の平成26年9月5-6日にも、これに続く第2回の研究会(於ロヨラ大学)を実施し、中間成果を発表するとともに今後の研究計画に月折衝を行った。 次年度は、こうした理論仮設の構成、実質的調査研究の実施、中間成果の論文・学会等での発表を、さらに促進していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論研究、調査研究の両面で予定通り、順調に進行している。中間報告としては、いまだ未成熟ながら、国際共同研究の進行に合わせて、また震災後の研究の進捗に合わせて、発表を行った。初年度としては、公表の側面で予想以上の成果があったが、なお、内容的に未成熟の部分があると考え、上記のカテゴリーを選択した。
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今後の研究の推進方策 |
順調に進展しているので、このまま従前通り当初の計画に従って、研究を進めていく予定である。なお、上記の国内外での中間成果発表については、より精錬しつつ、発展させていく予定である。
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