本研究の成果は、第1に、アメリカ合衆国、カナダ、フランス及びドイツにおける憲法適合的解釈又は合憲解釈並びにイギリスにおけるヨーロッパ人権条約適合的解釈に関する判例及び学説の状況について、調査研究を行い、法令解釈の手法として憲法適合的解釈が広く行われているという普遍性と各国の独自性について詳細に明らかにした。 第2に、こうした比較法的考察を踏まえた上で、我が国の最高裁判例や学説を精密に分析し、「憲法適合的解釈」概念の用法、憲法適合的解釈の意義、及び憲法適合的解釈が認められる要件と限界などを解明し、法令一部違憲、適用違憲その他の憲法判断との異同を明らかにした。
|