研究課題/領域番号 |
26380038
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
島村 健 神戸大学, 法学研究科, 教授 (50379492)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 環境責任 / 環境影響評価 / 石炭火力発電所 |
研究実績の概要 |
平成28年度前半は、環境責任論の各論分野の研究を日本において実施した。当該期間の研究のうち、研究成果として公表したものは、「自治研究」誌に掲載された論文が挙げられる。これは、エネルギー・環境法の分野における最近注目されている石炭火力発電所の新増設問題を、環境法とくに環境影響評価・環境利用権の分配のあり方という観点から分析し、平成28年度6月に環境法政策学会において報告したものに加筆して公表したものである(島村健「石炭火力発電所の新増設と環境影響評価(一)(二・完)」自治研究92巻11号(2016年11月)77頁-96頁、93巻1号(2017年1月)40頁-62頁)。 また、平成28年前期及び後期については、この間に公刊された環境法分野の裁判例を網羅的に調査し、判例の分析と展望を「民事判例」誌に二回にわたり掲載した(島村健「環境裁判例の動向」現代民事判例研究会編・民事判例ⅩⅣ2016年後期(2017年4月)50-54頁、および、民事判例ⅩⅢ2016年前期(2016年10月)48-56頁)。 環境責任に関するやや一般的な分析としては、島村健「環境法上の原因者負担原則に関する一考察」宇賀克也=交告尚史編『現代行政法の構造と展開』小早川光郎先生古稀記念(有斐閣・2016年9月)757頁-773頁を公表した。 平成28年度の終わりごろには、研究実施計画に記載したとおり、ドイツ・フライブルク大学の公法学研究所を訪問し、文献調査及びMurswiek、Hochhuth教授と意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概ね順調に進展している。ただし、各論分野の研究のうち、研究実施計画に記載した自然環境分野のヒアリング研究が遅れている。ヒアリングは、阿蘇の風景地保護協定を調査したあと、矢切緑地、浅間草原を訪問することを予定していたが、熊本地震の影響で、阿蘇地方において現地調査する日程が組みづらくなっていることに起因する。
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今後の研究の推進方策 |
遅れている各論分野の研究を推進することを第一の目的とする。次に、平成29年度の研究実施計画に記載しているとおり、これまでの研究代表者の研究成果と、今般の研究成果を合わせて、方の帰結主義的傾向を分析する法理論の文脈と照合しつつ、とりまとめることを目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実績の概要に記載したとおり、国内における現地ヒアリング調査が、熊本地震の影響により困難になったため。
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次年度使用額の使用計画 |
現地調査が可能になり次第、実地調査を行い、その費用として支出する予定である。
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