研究課題/領域番号 |
26380039
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
田近 肇 近畿大学, 法務研究科, 教授 (20362949)
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研究分担者 |
片桐 直人 大阪大学, 高等司法研究科, 准教授 (40452312)
重本 達哉 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 准教授 (60584042)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 墓地埋葬法 / 信教の自由 / 葬送の自由 / 宗教的多元社会 |
研究実績の概要 |
(最終年度に実施した研究の成果) 最終年度(平成28年度)は、平成26年度及び平成27年度の研究の成果を踏まえ、平成28年11月5日、愛媛大学城北キャンパスにおいて開催された宗教法学会の場を借りて、「墓地提供と信教の自由」というテーマでシンポジウムを行い、「イタリアの墓地埋葬法制―墓地埋葬法における『死者への敬愛』の保護」(研究代表者・田近 肇)、「ドイツ・オーストリアの墓地埋葬と憲法」(研究分担者・片桐直人)、「ドイツにおける墓地の『公共性』」(研究分担者・重本達哉)、「フランスの墓地埋葬法制―公法的観点から」(連携研究者・大石 眞)、「日本の墓地法制―課題と展望」(連携研究者・竹内康博)といった報告を行ったほか、この分野に詳しい森謙二・茨城キリスト教大学教授を招いて、「墓と埋葬を巡る法的問題―<家>なき時代の墓地埋葬法の構築に向けて」の演題で講演いただき、これらの終了後にパネル・ディスカッションを行った。 (研究機関全体と通じて実施した研究の成果) 本研究は、墓地埋葬法を素材として、個人の自由を実質的に確保する公役務のあり方を探究することを目的としていた。そのため、まず、諸外国の墓地埋葬法制の全体像を明らかにし、ヨーロッパ諸国では法令上市町村による公営墓地が原則とされていること、公営墓地という公的施設において信教の自由を確保するため例えば宗派区画を設けるなどの配慮がなされていることを明らかにすることができた。この研究は、墓地・埋葬という観点から信教の自由を考えるという、従来わが国にはなかった視点を憲法学・宗教法学に取り入れた研究という意義・重要性を有する者と考える。
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