研究課題/領域番号 |
26380040
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
石 龍潭 山口大学, 経済学部, 教授 (40360888)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 情報公開 / 中国における情報公開 |
研究実績の概要 |
諸外国から「移植」を受けた日本の行政法学は、1990年代よりグローバル化の下で変化し、中国などの市場経済移行国に対して行政法整備支援を行う立場となっている。本研究は、日中両国における情報公開制度に対する比較分析を通して、①中国における情報公開制度の整備状況及びその最新動向の紹介、②中国の制度が形成していく上で日本法からの「移植」の可能性、及び③改革中の中国の手法が今後日本の制度整備に対する示唆の有無を目的とするものである。更に、地方自治や地方分権の時代に入りつつある日本と、典型的な中央集権型国家である中国が、何故いずれもボトムアップ型の情報公開制度を必要としているのかを自分なりに明らかにしたい。 上記のような研究目的の下で、平成26年度において、予定通りに、主として、日中両国における情報公開の文献に対する調査と資料収集に努めた。 まず、日本語文献については、経費の許す限り必要なものを購入し、国会図書館や各大学の図書館等(8月18日‐21日)を利用し収集した。 次に、その数量が多く所在も極めて分散している中国語の文献については、大連図書館や鞍山図書館など(8月5日‐18日)、広州大学など(11月7日‐11日)を訪れて、調査と情報収集を行った。また、入手しにくい資料については、中国国内で情報公開制度に関する研究者へのアクセスから始める方が有効であると考えられるため、本研究の研究協力者から協力を受けながら、できるだけ網羅的に収集してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、平成26年度において、主として情報公開制度に関する日本語文献と中国語文献の調査と資料収集を研究計画として予定していたため、前記の「研究実績の概要」からも分かるように、概ね計画通りに進めている(年度末に、体調を崩して入院してしまったことで執行できなかった北京や四川などへの調査は、平成27年度中に実行する予定である)。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、予定通りに進めていく。具体的には、平成27年度において、本研究に必要な調査と資料収集を続けながら、時と国を軸に日中両国における情報公開制度の生成と発展の歴史や現状及び問題点を明らかにする。平成28年度において、研究ノートや判例報告などの形式で研究成果を整理し公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に、体調を崩して入院してしまったことにより、予定の北京や四川省などへの調査と資料収集ができなくなったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の理由で生じた未執行分については、平成27年度中に、当該年度の助成金と併せて、北京、四川、アモイ、大連などを訪れて、情報公開に関する調査と資料収集に使う予定である。
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