本研究は、中国行政訴訟法を中心に、(1)改正法の一般的な理解(立法起草者の説明、最高人民法院の司法解釈など)を分析し、(2)具体の行政訴訟裁判例を分析することで実際の法運用の現状と問題点を指摘し、(3)法規定・制度の欠陥や法運用の実践に対する批判的学説(立法論・改善論)を整理・分析することを通して、中国の法治行政の現状を把握し、その特色と問題点を示した上で、日本行政法の研究成果を活用しうる(中国行政法の発展に寄与しうる)点、例えば行政内部文書に対する司法審査のあり方などについて明らかにし、また日中両国で検討すべき共通の行政課題を明らかにした。
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