| 研究課題/領域番号 |
26380044
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| 研究機関 | 北星学園大学 |
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研究代表者 |
齊藤 正彰 北星学園大学, 経済学部, 教授 (60301868)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 公法学 / 憲法 / 条約 / 国際規律 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は、平成23～25年度の基盤研究(C)による、国家間の協力形成のために国際規律の形成・受容・確保に関わる国家の統治機構の憲法的統制の検討を基盤としながら、公権力を制限して人権を保障するという立憲主義憲法の特質と、憲法の人権規定および違憲審査制を補完する役割を果たす国際人権条約機構との理論的接続の可能性を探るという方向性をもって考察を進めるという計画に基づき、文献・資料を収集し、検討を行った。また、本研究課題に密接に関連する論点について、シンポジウムで研究報告を行い、それを発展させた論文を執筆した。
すなわち、国家間の協力形成の場面でも立憲主義憲法の特質を担保するために、対外案件に関する領域での国家の統治機構の憲法的統制の可能性を検討することが本研究推進の手がかりにもなると考え、この問題領域での最高裁判所の判例を検討した。そこでは、最高裁が出入国管理の憲法的統制と対外関係の問題にどのようなスタンスをとってきたかという観点から検討を行い、出入国管理に関する判例を専門的に分析している弁護士による研究会の記念シンポジウムで研究報告を行って議論をした後、さらに考察を進めて、記念論文集に寄稿した。
この作業によって、日本の最高裁は、対外案件についての憲法的統制において一定の積極的なスタンスをとってきたと解しうることが明らかとなり、今後、国家機関の対外的な活動に立憲主義の見地から法的統制を及ぼすことを考えるうえでの基盤を得ることができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
公権力を制限して人権を保障するという立憲主義憲法の特質と、憲法の人権規定および違憲審査制を補完する役割を果たす国際人権条約機構との理論的接続の可能性を探るという方向性をもって考察を進めるという本年度の研究計画については、憲法の人権規定および違憲審査制を補完する役割を果たす国際人権条約機構の理論的接続の可能性に関して、当初構想していた論点について十分に検討を深められなかった面はあるものの、対外案件についての憲法的統制における最高裁のスタンスを考察するなかで、本研究課題の推進にとって重要な手がかりとなる論文を執筆・公刊しており、相応の達成度に至っていると評価できる。
その意味では、当初計画以上とまではいえないが、おおむね順調に進展していると評価することができる。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、当初の研究計画に従い、中心的なテーマとして、国際的に活動する国内機関および国際機構の法的統制のしくみを考えるに際して、国際機構およびその活動に立憲主義を及ぼす可能性について検討する。
平成26年度における考察の成果に基づき（必ずしも検討が十分ではなかった部分を補完しつつ）、研究計画全体の進捗状況や状況の変化に応じて、合理的な調整を行いつつ研究の推進を図り、研究成果を適時に公表できるように努める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の配分額については、発注済みの洋書の納品が遅れたために執行できなかったことと、本研究のために予定していた文献・資料の調査・収集を、他の予算による出張において併せて実施できたために旅費の執行が不要となったことで、多少の残額が生じたものである。
そのような事情で生じた残額であるので、次年度の研究において有効に活用することとする予定であり、研究計画の変更等、研究遂行上の対応が必要となるものではない。
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| 次年度使用額の使用計画 |
平成27年度における配分額（前年度未使用額を含む）については、当初の計画に沿った研究の推進方策に基づいて、補助事業期間中に適切な執行を図るものとする。
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