第一に、civil概念について、それが近代国民国家の形成に理念的な基礎を提供する一方で、国家の構成員の法関係を非政治化・私化するという機能および隣国に対する国民国家形成を阻害する機能を果たしていたことを解明した。第二に、法継受について、translation studiesの視点を用いて、法関係のグローバル化という脈絡の中で法継受を分析する際の方法論的な課題を示した。第三に、日本の行政救済制度について、裁判所の機能不全の歴史的原因を行政権の出先機関というその出自および戦後改革の歪みにあることを示し、今後の改革の課題を考察した。
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