研究課題/領域番号 |
26380051
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
諸坂 佐利 神奈川大学, 法学部, 准教授 (10386815)
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研究分担者 |
井上 匡子 神奈川大学, 法学部, 教授 (10222291)
江口 隆裕 神奈川大学, 法学部, 教授 (10232943)
飯村 史恵 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (10516454)
橋本 宏子 神奈川大学, 法学部, その他 (50086972)
太田 匡彦 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80251437)
嘉藤 亮 神奈川大学, 法学部, 准教授 (90586570)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 社会福祉協議会 / 地域福祉計画 / 公私協働 |
研究実績の概要 |
今年度は、研究計画に記載の柱に沿って、共同研究を実施した。なお、幸いにして今年度より、本共同研究とほぼ同趣旨の内容で、神奈川大学共同研究奨励助成金の採択をいただいた。本共同研究では、主として①理論研究と③研究の統合を中心に、②については理論研究の観点から実態調査の結果を分析を実施した。神奈川大学共同研究奨励助成金研究では、国内外の社会福祉協議会の実態調査とその直接的な分析を実施した。 ① 理論研究 理論研究の成果の一部を研究書(橋本宏子・飯村史恵・井上匡子編著『社会福祉協議会の実態と展望 : 法学・社会福祉学の観点から』神奈川大学法学研究所叢書、日本評論社、2015年3月 全350ページ)としてまとめ、出版することにかなりのエフォートを傾注した。法学と社会福祉という異分野、および法学内部でも実定法分野・基礎法分野、さらには行政法学と社会保障法学、行政法学と自治体法務という方法や理論的背景の異なる分野の研究者による共同研究としてまとめることができた。 ② 実態調査・分析・検討 研究分担者・橋本名誉教授を中心に、福岡県うきは市、兵庫県宝塚市を中心に実態調査を実施した。社会福祉協議会としては、それぞれ特色のある組織づくり、活動を展開しており、自治体との関係も含め今後の理論研究とのフィードバックに重要な素材となった。実態調査に関しては、理論研究との統合も含めて、研究会内部での検討の段階で、いまだ具体的な成果の発表には至っていない。 ③研究の統合 上記①に記載の研究書の出版のための研究会・emailやメーリングリストを利用した意見交流を実施した。研究書の出版は、お互いの専門分野の違いなどについての認識が深まるなど、研究の統合の観点からも、非常に有効であった。しかしながら、理論研究と実態調査、あるいは異分野の統合などについては、未だ有機的な統合は実現できていない。今後の課題としたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記載したように、本共同研究は、以下の科研費研究での成果を継承・発展させる形で構成されている。(基盤研究C 研究代表者橋本宏子 2012年度~2014年度「地域福祉における社会福祉協議会の意義と問題点-公私の役割分担の再構築に向けて」研究課題番号50086972)。その意味では、成果の一部を、その後の展開も含めて、単行専門書(橋本宏子・飯村史恵・井上匡子編著『社会福祉協議会の実態と展望 –法学・社会福祉学の観点から』神奈川大学法学研究所叢書、日本評論社、2015年3月 全350ページ)として出版することができたことは、まずまずの出だしと考えている。 ただし、その成果を学会全体、あるいは社会一般に還元するという点では、未だ充分に展開できていない。この共同研究の社会的な意義が、狭義の意味での学会にとどまるものではないことに鑑み、社会への還元は重要な点であると捉えている。 また、理論研究・実態調査の総合という点では、神奈川県に関する分析調査による理論構成から、対象をより広げる形で展開したが、それらの調査分析を理論化し、地域福祉計画とも関連させた上で、より一般的なかたちでのとりまとめをめざしているが、現段階では抽象的なレヴェルにとどまっている。これは、もともと2年次・3年次の課題ではあるので、今後とも積極的にとりくんでいく。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書に記載した、理論研究・実態調査・研究の統合という三本の柱に関しては、そのまま継続し、バランスよく推進する。その中でも特に、共同研究の成果を研究会メンバー以外と共有し、社会に還元するために、以下の方向での研究活動に重点を置く。なお、これは研究計画の変更ではなく、より実質的な成果を挙げるための経年的な展開である。 具体的には、昨年度に発表した研究書(橋本宏子・飯村史恵・井上匡子編著『社会福祉協議会の実態と展望 –法学・社会福祉学の観点から』神奈川大学法学研究所叢書、日本評論社、2015年3月 全350ページ)を手がかりとして、研究者とのオープンな研究会だけではなく、社会福祉協議会での実務に携わる方を交えた研究会・意見交換会を実施する。そこでの成果を理論研究や実態調査の中に取り入れていく。 また、研究の統合に関しては、法学・社会福祉学、社会保障法・行政法、基礎法・実定法、行政法・自治体法務などの複数の軸の中で異なる専門分野の協働による研究の統合をはかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、以下の様な理由で、当初よりも使用金額が減少した。 書籍出版のための研究が中心となり、研究会交流も研究代表者・研究分担者の間でのものが主となったため、外部の研究者に支払う謝金などが計画よりも、少なかった。また、国内外の調査の規模を当初の計画よりも、一部縮小した。 いずれも、研究全体の進行には支障はない。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度出版した研究書を用いた公開研究会を計画している。外部の研究者や、社会福祉協議会の実務家などの招聘を計画している。そのための謝金や、成果をまとめるための費用(テープ起こしなども含む)として支出予定である。
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