研究課題/領域番号 |
26380054
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
福嶋 敏明 神戸学院大学, 法学部, 准教授 (80461010)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 憲法 / 信教の自由 / アメリカ合衆国 |
研究実績の概要 |
本年度(2015年度)は、「信仰行為二分論」に対する植民地・憲法起草時代における信教の自由論の影響(研究課題(1))、及び、連邦最高裁における「信仰行為二分論」の形成過程(研究課題(2))を明らかにする作業を並行して行った。前者については、昨年度に引き続き、1802年にトマス・ジェファソンがダンベリ・バプティスト教会に宛てた書簡の意義を解明することに重点を置き、同書簡及びジェファソンに関する一次資料・二次資料の収集・分析を行った。後者については、1878年のReynolds v. United Statesや1940年のCantwell v. Connecticutなどを中心に、「信仰行為二分論」の形成過程において重要な役割を果たした連邦最高裁判決について、一次資料・二次資料の収集・分析を行った。 以上の作業を行う過程で、本年度は、2015年8月に、アメリカ合衆国ワシントンDCに所在するLibrary of Congressに出張し、資料収集を行った。その結果、「信仰行為二分論」の形成過程において重要な役割を果たしたと考えられるいくつかの判決について、判決文草稿などの貴重な資料を得ることができた。また、2015年12月に、関西アメリカ公法学会において、信教の自由に関する連邦最高裁の最新判例(Holt v. Hobbs (2015))について報告する機会を得た。本研究における研究課題(2)は、主に1870年代から1960年代までの判例の分析・検討を予定するものであったが、上記判例報告の結果、本研究の遂行に資する一定の知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、Library of Congressでの資料収集や学会での研究報告など、本研究を大幅に進展させるための作業を行うことができたものの、当初の研究計画では、本年度中に研究課題(1)に関する研究論文を完成させることを予定していたにもかかわらず、完成させるには至らなかったため、「やや遅れている」ものと評価する。
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今後の研究の推進方策 |
来年度(2016年度)は、研究計画の最終年度に該当するため、研究会報告・論文執筆による研究成果の公表を目指して作業を行う。その際、研究課題(1)が研究課題(2)の前提に位置付けられるものであるため、研究課題(1)に関する研究成果の公表に向けた作業を優先して行うこととする。研究課題(1)に関する研究成果の公表に向けた作業に一定の目途がついた段階で、研究課題(2)に関する研究成果の公表に向けた作業を本格的に行うことにしたい。
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