本研究は,環境法と都市法の融合領域である都市開発分野を素材とする比較法研究を通じて,複合的な公益間調整が要請される地域再開発において,環境公益を含む多様な公益の共存を目指す法政策について,そのメカニズムと法的特色を分析した。持続可能な発展を基軸として,一方ではEUを含むグローバルな要請を受けつつ,他方では人口減少に伴う地域社会変化に起因して多様化するローカルニーズの中で,地域利益の多面的向上を図る都市再設計理念の構築および共有が,社会的受容の獲得に資する公益調整過程における重要な要素であることを明らかにした。
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