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2015 年度 実施状況報告書

罪刑法定主義の要請を基軸とする管轄権理論の再構成

研究課題

研究課題/領域番号 26380062
研究機関岡山大学

研究代表者

竹内 真理  岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (00346404)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード国際法 / 管轄権 / 域外適用 / 罪刑法定主義
研究実績の概要

平成27年度は、罪刑法定主義の要請が、個々の管轄権行使にとってどのような制約要因として作用するのかを検討するために、国際・国内判例、及び関連する条約の検討を行った。罪刑法定主義の要請は、憲法上の要請であると同時に、各種人権条約の実践を通じて、国際人権法上の要請としても理解されるようになっている。これらはより具体的には、法の予見可能性及び法廷地の予見可能性の要請として具体化されており、刑事法分野の管轄権行使に対して一定の制約要因として作用しうる。今年度は、実行・判例の分析を通じて以上の点を確認したうえで、さらに、実行上、このような制約がどのように克服・緩和されているかを検討した。
一方で、立法・判例には、①犯罪行為地の法を適用するとか、犯罪行為地の法と法廷地法とを比較して軽い方の罪を適用するといった対処によって、法の予見可能性を充足し又法廷地の予見可能性の問題を回避するという方式、②法廷地の利益に対する侵害の意図をもって、法の予見可能性と法廷地の予見可能性の双方が充足されるとする方式が見られることを確認した。他方で、刑事法分野における条約は、特定の行為について、締約国に対して犯罪化と裁判権設定の双方を義務付け、それによって法制度の統一を図ることで、間接的にこのような罪刑法定主義の要請を充足する機能を果たしうることを確認することができた。
これらの知見は、順次研究成果として公表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

関連する判例・条約実行の収集及び分析が順調に推移したため

今後の研究の推進方策

次年度は研究課題の最終年度に当たるため、これまでの検討結果を総合し、体系的な考察を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度は、予定していたセミナー出席のための外国出張を、学内業務のために取りやめることになったため、旅費のための予算を消化しきれなかったため。

次年度使用額の使用計画

繰越した予算については、28年度の外国出張(国際会議での報告を予定)で消化する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件)

  • [雑誌論文] Implementing International Norms to Fight Against Terrorism―the 2014 Amendment of the Act on the Punishment of Financing of Offences of Public Intimidation”2016

    • 著者名/発表者名
      Mari Takeuchi
    • 雑誌名

      Japanese Yearbook of International Law

      巻: 58 ページ: 369-383

  • [雑誌論文] テロ関連諸条約2016

    • 著者名/発表者名
      竹内真理
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 428 ページ: 114-120

  • [雑誌論文] 国際法における国家管轄権行使に関する基本原則2016

    • 著者名/発表者名
      竹内真理
    • 雑誌名

      鶴田順編『海賊対処法の研究』

      巻: 無 ページ: 未定

  • [雑誌論文] Universal Jurisdiction in a Context: From Dialectic to Dialogue2015

    • 著者名/発表者名
      Mari Takeuchi
    • 雑誌名

      Shotaro Hamamoto, Akiho Shibata & Hironobu Sakai eds., "L'être situé", Effectiveness and Purposes of International Law: Essays in honour of Professor Ryuichi Ida,

      巻: 無 ページ: 89-111

    • 国際共著
  • [雑誌論文] 難民条約2015

    • 著者名/発表者名
      竹内真理
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 423 ページ: 113-119

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公開日: 2017-01-06  

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