研究課題/領域番号 |
26380068
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
篠原 初枝 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授 (30257274)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 国際法の歴史 / クインシー・ライト / 国際法学と外交政策 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
平成26年4月に、ヘルシンキ大学 Martti Koskenniemi 教授主催の国際会議(ベルリンにて開催)Empire and International Law に参加し、ペーパーを発表した。その発表ペーパーについて、編者からのフィードバックをもとに書き直し、"Drift toward Empire? The Trajectory of American Reformers in the Cold War" という分担執筆原稿を完成させ、12月に編者のもとに送った。
また、"International Law and World War I" という25年度の終わりに執筆した論文が、26年9月に雑誌論文として公刊された。さらにこの雑誌 Diplomatic History は第一次世界大戦の特集号であったので、ひとつの論文集として出版したいという意向を受け、26年度後期にはその書き直し作業をおこなった。この論文は、必ずしも研究課題とする冷戦期の国際法学ではないが、大きな枠組みでは国際法学と外交政策という枠組みから歴史的研究を行ったものであり、特にアメリカの外交史研究で軽んじられてきた法的枠組みの再考を唱えるものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
課題について、二つの異なる業績を英文で発表し、その一つは当研究者の分野で最も権威ある英語のジャーナルに発表できた。また二つともOxford University Press から出版を予定されている図書に、海外の研究者に並び、分担執筆として寄稿できたことは、きわめて達成度が高かったといえる。
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今後の研究の推進方策 |
26年度に書いた論文での対象時期は1945年からキューバ危機までであった。今後は、ベトナム戦争期にどのような国際法学の議論があったかを検討する予定である。すでに、キューバ危機の時点で、ライトが政府批判を唱えていることがわかったので、さらにフォーク(Richard Falk) などを詳細に検討するとともに、アメリカ国際法学会での論争を丹念に分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外出張ができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
海外での資料収集および研究会の開催を企画する
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