研究課題/領域番号 |
26380069
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
河野 真理子 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90234096)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 海洋境界画定 / 国際司法裁判所 / 国内法と国際法 / 国際海洋法裁判所 / 国際紛争の平和的解決 / 国際仲裁 / 国際裁判所の判決の法的拘束力 |
研究実績の概要 |
今年度は国際司法裁判所の判決の履行状況の研究に加えて、他の裁判所の比較という観点から、国際海洋法裁判所や仲裁裁判所の判決の研究にも幅を広げる研究を行った。 本来の計画では外国調査を実施する予定であったが、2014年度は国際判決が多く出され、5月、6月、2月に開催された国際シンポジウムでの研究報告がかさなったため、判決や著作の文献の調査と研究成果の公刊を中心とした作業を行うこととした。 主要な研究成果の一つの論点として、国際司法裁判所や国際海洋法裁判所、仲裁裁判所によって出された判決が国内法制度の是正や国内裁判所の判決の変更を求めるような内容のものである場合に、判決を受けた国家がどのような対応をしなければならないのかを、関連する判決の履行状況を踏まえて考察した。これらの研究の結果は、論文として和文と欧文の両方で公刊した。 第二の論点としては、海洋紛争の解決において、国際裁判所の手続き、あるいは判決がどのような意義を持つのかを考察した。この分野では海洋境界画定に関する判決が、国際司法裁判所、国際海洋法裁判所、仲裁裁判所によって出されており、特に2014年には、国際司法裁判所のチリ対ペルーの海洋紛争事件の判決と、バングラデシュ対インドの仲裁裁判所の判決が出された。これらの判決の内容はこの分野のこれまでの判決の成果を十分に踏まえたものであると考えられるので、2つの判決の意義を分析する作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来は外国調査を行いその結果を踏まえた判決の分析を行う計画であったにもかかわらず、新しい判決の分析や国際シンポジウムへの招待等に対応するために、外国出張の時間が十分にはとれなかった。2年目の年度は、外国調査をぜひ行いたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の新たな判決の分析や国際シンポジウムへの出席によって得た人間関係を利用して、外国調査をより実り多いものとするべく、入念な準備を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際シンポジウムでの報告の招待等で、外国出張ための時間が取れなかったため、次年度に外国調査を行うこととし、初年度は書籍と判決の研究、分析を行ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度に行えなかった外国調査を行いたいと考えている。初年度の書籍と判決の研究、分析を踏まえ、入念な準備を行った外国調査とする予定である。
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