国際社会において人権実施の課題は、締約国国内おける実施を困難とする問題の存在、理論的に義務内容が過渡期として強化されつつある状況となっている問題であることが多い。そうした課題について、実施機関と締約国の対応について検討を行った。実施機関は、規範創造機能と規範定着機能を持ちながら規範の実現を求めている。他方、締約国は、その規範の実施に対して、締約国の国内事情の克服を如何なる形で対応するのかが問題となる。一つは、その規範創造に対して抵抗し、実施機関の権限を制約する方向に進み、他方でその際に国際機関との協力関係をいかに創り上げるかが、問題を解決する一つの方策となっていることも明らかとなった。
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