研究課題/領域番号 |
26380073
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
西 平等 関西大学, 法学部, 教授 (60323656)
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研究分担者 |
齋藤 民徒 金城学院大学, 国際情報学部, 教授 (10401019)
川副 令 日本大学, 国際関係学部, 研究員 (40292809)
伊藤 一頼 北海道大学, 大学院公共政策学連携研究部, 准教授 (00405143)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 国際法思想 / 国際政治思想 / 戦間期 |
研究実績の概要 |
2014年5月、研究代表者・分担者が集まり、問題意識の共有を図ったほか、戦間期日本の国際法学に関する川副令氏の研究についての検討を行った。2015年2月23日には、今年度の研究進捗状況を確認するため、研究会を開催した(ただし、代表者は、ドイツ滞在のため不参加)。研究代表者は、2014年9月より2015年3月まで、ベルリン・フンボルト大学のクリストフ・メラース教授の下で、ケルゼンの国際法理論を理解するための前提として、19世紀後半から20世紀前半にかけての国際法構想についての研究を行った。とりわけ、19世紀の実証主義国際法学の代表的理論家とされるイェリネックの自己拘束理論やトリーペルの共同意思定立理論についての研究、および、観念論的立場から、国際法について批判的な理論を提示したエーリッヒ・カウフマンの事情変更論についての研究を行うに当たり、ベルリン国立図書館の資料を利用できたことは非常に、有益であった。この調査のための予備的考察の一部は、『法律時報』2014年9月号に公表した。その後の研究成果については、2015年度に順次公表を予定している。そのうち、戦間期の国際法秩序構想としても重要な意味を持つモーゲンソーやカーの理論の意義を分析した二つの論文については、目下、校正中である(『関西大学法学論集』65巻2号掲載予定)。 2015年3月上旬には、研究分担者である川副令氏がベルリンを訪れ、フンボルト大学図書館で資料調査を行ったほか、ドイツの研究者との間で国際法思想史研究のあり方について、意見を交わした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
戦間期の国際法理論について、代表者・分担者ともに、ほぼ予定通り、文献の検討と意見の交換を進めている。ただ、分担者の勤務先の変更などもあり、スケジュールの調整に手間取り、研究会が予定通りには開催できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、戦間期の国際法秩序構想について、その理論的側面に着目しながら研究を進めてゆき、従来の国際法史理解に重要な変更を迫る意味を持つような、新たな視点を提示したい。方法としては、予定通り、文献の検討と、研究会による意見の交換を中心とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の所属に異動があり、日程の調整が難しくなったため、予定していた研究会の一部が開催できなかった。とくに、ベルリンにおいてドイツの研究者との意見の交換を行った際には、日程の調整がうまくゆかず、結局、齋藤氏と伊藤氏は参加を見送った。そのため、支出予定額と実支出額との差が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
分担者である伊藤氏の新しい勤務地が遠隔にあり、研究会開催の費用が増加したけれども、今年度は、研究の成果を共有し、さらにはそれを公表してゆくために積極的に研究会を開催する。また、公法および法哲学の研究者を招いて、戦間期国際法理論の意義を広い視点から話し合う機会を設ける予定である。
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