医療制度改革において社会保障関係費の抑制策が先行した場合、市場によっては担いきれない高齢者のニーズが疎かにされかねない。人生の終盤における安心した尊厳ある生活の保障が望まれている。他方で、働く世代の支払う税や保険料の負担増から、若・中年者と高齢者の世代間公正が問われている。 本研究では、アメリカについての研究から、高齢者の人としての尊厳を侵害する制度改革と世代間不公正の増幅の双方を回避する方策を探った。具体的には、医療の質を向上させつつ医療費を抑えるオバマケアにおけるACO(責任あるケア組織)の工夫や費用対効果分析の課題などを明らかにした。
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