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2016 年度 実績報告書

雇用流動化政策の下での新たな労働市場法制とセーフティネットの構築

研究課題

研究課題/領域番号 26380078
研究機関神戸大学

研究代表者

大内 伸哉  神戸大学, 法学研究科, 教授 (10283855)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード解雇 / 金銭解決 / 労働市場 / 職業訓練 / 人工知能 / ロボット技術 / セーフティーネット / 自営的就労者
研究実績の概要

本研究は,雇用流動化政策を進める上で必要とされる雇用・労働法制のあり方について2つの軸で検討を進めた。第1は,解雇(または有期雇用の雇止め)に関する金銭解決制度のあり方,第2は,解雇等において失業した労働者の転職力(employability)を高めるためのセーフティーネット政策のあり方である。
第1については,イタリアとスペインの法律の検討を中心に,さらにドイツなどの他の欧州諸国,加えて中国,台湾などアジアも視野にいれて検討し,そこから日本の解雇規制のもつ不当解雇を無効とするアプローチは限界にきており,日本型雇用システムの変化や第4次産業革命による産業構造や就業構造の激変に対応するためには,予測可能性の高い解雇規制を導入する必要があり,そのためにも金銭解決制度の導入は喫緊の課題であることを明らかにした。とくに金銭解決制度は,雇用の流動化を進めるための前提であり,それは単に解雇を容易にするだけではなく,解雇された労働者の所得保障にも配慮するという点で,解雇無効アプローチよりは優れたものであるということを明らかにした。
第2のセーフティーネット政策については,これまでの雇用保険や社会保障などによる受動的なセーフティーネットではなく,労働者の転職力を向上させるための職業訓練や労働市場のマッチングの向上のほうにより力点を置くべきであるとする現状認識を基礎として,前記の解雇の金銭解決制度による所得保障に加え,人工知能やロボット技術の発達による産業構造の大きな転換の動きや情報通信技術の高度な発展をみながら,政府が開始したばかりの政策的検討の理論的な基礎を提供するための研究を行った。さらにその過程で,今後は自営的就労者が増加するという見込みが明らかになってきたことから,これらの者に対する新たな政策的対応の必要性についても研究を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] 労働法のニューフロンティア?ー高度ICT社会における自営的就労と労働法2016

    • 著者名/発表者名
      大内伸哉
    • 雑誌名

      季刊労働法

      巻: 255 ページ: 93と104

  • [学会発表] 解雇の金銭解決2017

    • 著者名/発表者名
      大内伸哉
    • 学会等名
      神戸労働法研究会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2017-03-25
  • [図書] AI時代の働き方と法ー2035年の労働法を考えるー2017

    • 著者名/発表者名
      大内伸哉
    • 総ページ数
      226
    • 出版者
      弘文堂
  • [備考] 研究成果(科研費)

    • URL

      http://www2.kobe-u.ac.jp/~souchi/activity.html

  • [学会・シンポジウム開催] 日台の解雇規制に関する比較法研究2016

    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2016-07-02 – 2016-07-02

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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