本研究は、日本における19世紀から21世紀にかけての労務供給に対する労働法的規制の展開過程を、それぞれの時代の企業組織や雇用契約のあり方を念頭におきながら、イギリスとの比較を踏まえ、歴史的に検討することを課題とした。 その結果、本研究においては、日本における19世紀前半すなわち江戸幕藩体制の下での労務供給契約に対する法規制の歴史的展開を、本研究で提起した「分析枠組」(「企業組織と成員構成および雇用形態の3段階モデル」)を使って分析し、イギリスとの比較において労務供給契約の履行の日本的特質を析出した。
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