本研究は、東アジア諸国において、犯罪者の社会内処遇への関心が高まっていることに着目し、その要因を探ったものである。 研究の結果、各国における社会内処遇への関心の高まりは異なる背景を有しており、韓国では社会防衛的側面が、台湾では過剰収容対策の側面が、日本では社会内で有効な処遇を展開することによる再犯防止が目指されていることが判明した。その結果、各国が力点を置く社会内処遇の内容にも違いがみられるものの、犯罪者の社会復帰のための有効な働きかけとして行われるべきことには共通性がみられることも分かった。 以上の分析視点に基づいて、近時の日本の社会内処遇の諸問題について各論的な検討を行った。
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