本研究では、第一に、研究者へのインタビュー調査により、少年矯正に関する欧州レベルの国際人権法の規範構造と「最善の利益」原則の基本的な意義を確認することができた。第二に、資料分析と、研究者及び実務家へのインタビュー調査により、州法として制定されているドイツの少年行刑法の基本構造と現在の実務上の課題を把握できた。そして第三に、文献調査とインタビュー調査により日本における少年矯正法(少年院法・少年鑑別所法)の歴史的意義の解明と現在の運用上の課題を明確化できた。 その成果は、「少年矯正法の系譜と新法の課題」、「ドイツ少年司法の展開と課題」などの論文や、「再び少年法を考える」などの学会報告で公表した。
|