| 研究課題/領域番号 |
26380097
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| 研究機関 | 中央大学 |
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研究代表者 |
只木 誠 中央大学, 法学部, 教授 (90222108)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 自己決定(権) / 承諾（同意） / 承諾（同意）能力 / 承諾（同意）の有効性 / 拒否権 / 高齢者患者の承諾 |
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| 研究実績の概要 |
今年度は、研究課題である「承諾能力を有しない、もしくは限定的にこれを有する高齢者患者の承諾の有効性」の問題に関して、とりわけドイツとの比較においてこれを考察して行くべく、以下の活動を行った。
まず、国内においては、基本的な文献の収集と分類・整理、調査等の作業を行ったが、
あわせて、下記の夏のドイツ滞在においてデュトゥゲ教授より得た患者の同意に関する４件の資料について、日本比較法研究所の共同研究グループの研究会において翻訳・研究作業を行い、その成果を2015年1月31日の報告会において発表した。なお、昨４月の上旬に、ギーセン大学のヴェルナー女史による堕胎の問題を生命倫理と法の観点から考察する講演会を催し、その折りに、研究課題について意見交換を行った。
また、上記の国内における作業とは別に、昨年８月下旬から２週間ドイツに滞在して、ドイツ・ゲッティンゲン大学のデュトゥゲ教授(同教授は、現地でアルツハイマー患者や承諾能力のない子どもへの医的侵襲の問題に関して多くの研究を行っており、ドイツの医事法、生命倫理に関する委員会のメンバーも務めている)の協力のもと、標題のテーマにかかる情報の収集、また意見交換等の活動を行った。なお、この滞在中、デュトゥゲ教授との共同企画にて日独刑事法の現代的問題に関するミニ・シンポジウムを開催し、このシンポにおいては、生命倫理と法に関するテーマも取り上げて、日独の研究者において広く議論を行った。その後、本年３月には、再びドイツを訪ね、昨夏に引き続いて資料の収集等の作業に従事した。
また、来年度に日本比較法研究所の学術シンポジウムプロジェクトのひとつとして生命倫理と法の問題、とりわけ「高齢者の承諾」をテーマとしたシンポジウムを予定していることから、上記の研究活動と同時に、その開催に向けての準備作業についてもこれを進めたところである。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
標題の研究課題に関する我が国の状況と今後にむけての方策のあり方を探るには、諸外国、とりわけ、当該研究の先端を行くドイツまたスイスの状況や法制度を参考に考察し、わが国の議論の参考に供するのが有益であると思われるところ、今年度は、特にドイツにおける資料の収集・調査活動を行って成果を得ることができた。この作業については、次年度以降も継続して行う予定であるが、それによって一層の成果が期待できるものと思われる。
また、国内における活動として、生命倫理と法に関するテーマについての講演会を開催し、また、研究課題に関連する有益なドイツの資料を得てこれについて翻訳作業を行い、研究報告会を開催することができたことは研究の進展にとって有意義、かつ、有益であった。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究課題にかかる研究においては、ドイツなどの法理論や制度内容を研究し、その先進的な議論を考察することで、かの国々の議論がどのようにわが国に有用であるか、また、法整備の可能性、射程と今後の見通しをエビデンス・ベーストで探り、検証することを主眼とするものである。そのため、資料収集・調査活動に充てるものとして各年２回程度の国外訪問を予定しているが、これにより研究の基本たる比較法的な成果が確保される一方、また、招聘研究者と日本側研究者とのシンポジウム、共同研究を行うことで、これを通して試論に貢献する発展的な成果が期待されるものと考えている。
来年度は、秋に、日本比較法研究所の学術シンポジウムプロジェクトのひとつとして、生命倫理と法の問題の大きなテーマである「高齢者の承諾」を取り上げたシンポジウムの開催を予定しており、上記研究活動と同時に、現在、その開催に向けて準備などの作業を進めているところであるが、その意味からも、大きな成果が得られると思われるところである。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
今年度については、大きくは、夏、冬２度の海外滞在資料収集作業にかかる旅費・滞在費等と書籍、消耗品等にかかる経費が主な出費項目であったところ、諸般の事情からドイツ滞在期間が当初の想定よりも短くなり、また、航空運賃・宿泊費が安価で済み、次年度以降の計上経費にも配慮した結果、次年度使用額が生じたものである。なお、書籍等の購入をはじめとして、各購入経費の使用内容については、おおむね当初予定していた通りである。
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| 次年度使用額の使用計画 |
来年度については、今年度と同様に、夏、冬２度の海外滞在を行って資料収集作業を継続する予定である。このため、まずはこれにかかる旅費・滞在費等が入用であり、また、書籍、消耗品等にかかる経費も同じく主な出費項目として計上することになるであろう。加えて、秋に、日本比較法研究所の学術シンポジウムプロジェクトのひとつとして生命倫理と法の問題、とりわけ「高齢者の承諾」をテーマとしたシンポジウムを予定していることから、その準備費、開催費用も大きな出費項目となろう。さらに、その他としては、翻訳作業にかかる謝金を含めたアルバイト代等、また、調査・打ち合わせにかかる旅費、会議費、雑誌を含む諸消耗品等に関しての出費が見込まれるところである。なお、書籍等の購入をはじめとして、各経費の使用内容についてはおおむね当初の予定に沿ったものとなると思われる。
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