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2014 年度 実施状況報告書

高度電子情報化時代の犯罪捜査・立証の在り方

研究課題

研究課題/領域番号 26380098
研究機関早稲田大学

研究代表者

井上 正仁  早稲田大学, 法学学術院, 教授 (30009831)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードサイバー犯罪捜査 / コンピュータ・ネットワークの捜査 / 電気通信傍受 / GPS捜査 / 通信履歴の保全 / CCTV / 監視カメラ / 電子情報
研究実績の概要

3年に亙る本研究の初年である本年度においては,①電子情報技術を応用した各種システム・機器の普及状況と,これをターゲットにし,あるいは悪用した犯罪の実態の把握,②上記①の犯罪に対する捜査・立証上の課題の把握,③上記②に応える新たな捜査・立証手段の開発・使用の実情の把握,及び④上記③の捜査・立証手段に関する法的問題点の抽出,を行うことを目的に,(a)~(d)の作業を行い,初年度として所期の成果をほぼあげることができた。
(a) わが国の問題状況に関する資料・文献の検索と収集及びそれらの分析,並びに(b)警察関係関係者からの事情聴取。これらの作業により,わが国に関する限り,上記①~④の各事項の把握は相当程度進んだ。(c)欧米諸国(主としてアメリカ,及びイギリス,ドイツその他のEU諸国)の問題状況とそれに係る法制に関する資料・文献の収集とその分析,並びに(d)ドイツ及びイギリスにおける実地調査(ドイツでは,連邦司法省,ベルリン地方検察庁等において関係官から,電気通信及び会話の傍受,サイバー犯罪の捜査・証拠収集,GPS捜査,防犯・監視カメラの活用などに関する同国の法制と運用の実情について聴取するとともに,関係資料を収集。イギリスでは,ケンブリッジ大学John Spencer教授等と刑事専門法廷弁護士及び事務弁護士から,上記と同様の事項に関する同国の法制と蘊奥の実情について聴取するとともに,関係資料を収集)。これにより独英両国における上記①~④の各事項の把握も相当程度進んだ。加えて,他のEU諸国及びアメリカについても,それら各事項に関する基礎的な情報収集・実情把握をすることができた。
以上の成果の一部は,井上正仁『強制捜査と任意捜査(新版)』(有斐閣,2014年)に反映させることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究実績の概要」に記したとおり,研究の初年度としては所期の目的を相当程度達成することができたと思われる。一部,発注した文献が未到着のものもあることや,収集した資料・文献の分析に時間を要し,未達成のところもある反面,次年度以降に予定していた欧州諸国の実地調査の一部を,先方との調整がついたことから,前倒しで実施することができ,所期の計画を超えて前進したところもある。

今後の研究の推進方策

平成27年度以降も,わが国及び欧米諸国の関係資料・文献の収集と分析及び関係機関・関係者からの事情聴取を進めるとともに,アメリカその他の欧米諸国の実地調査を実施することなどにより,上記①~③の各事項の十全な把握とその要括を行い,その成果を踏まえて,④で抽出した法的問題点につき比較的・理論的検討を加え,解決の在り方を究明する。その上で,得られた成果を,順次,論文等の形で公表する。

次年度使用額が生じた理由

発注していたアメリカ及びドイツの書籍が未到着のため。

次年度使用額の使用計画

平成27年度請求額900.000円のうち物品費350,000円(他の550,000円は外国旅費を含む旅費)にこの次年度使用額を加え,主として書籍購入に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 強制捜査と任意捜査(新版)2014

    • 著者名/発表者名
      井上正仁
    • 総ページ数
      490
    • 出版者
      有斐閣

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公開日: 2016-05-27  

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