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2016 年度 実績報告書

倒産手続における金融機関の役割の新たな構築

研究課題

研究課題/領域番号 26380107
研究機関一橋大学

研究代表者

杉山 悦子  一橋大学, 大学院法学研究科, 准教授 (20313059)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード倒産 / DIPファイナンス / 金融機関
研究実績の概要

平成28年度は、日本の倒産法制と金融機関の関係について、国内外の実務家、研究者に対してその研究成果を報告する作業を主として行った。
例えば、タイの法務省で倒産法制の整備を行う役人と日本の研究者による共同研究会を開催し、日本の倒産法制の特徴、特に中小企業の再生に関する法制について、報告と説明をした上で、意見交換を行った。その中で、特に中小企業においては、金融機関の融資が企業の再生にとって大きな影響を与えること、それらに対する優先権の付与や担保法制の整備が不可欠であるとの示唆を与えることができた。それと並行して、日本の倒産法制は様々な面において債務者優位であるが、債権者優位のものか、債務者優位のものかにより、債権者・債務者の行動に影響があると知見をえた。また、倒産に関連する裁判手続における金融機関の情報入手のあり方についても、考察、発表を行った。
さらに、東京、第一、第二、大阪弁護士会の共同開催するシンポジウムで、研究成果の一部である仲裁合意の倒産法上の拘束力について報告をするとともに、事業譲渡や免責決定についての外国裁判所の許可の効力などについて報告をした。実務家との複数回にわたる意見交換の中で、これらの問題が倒産企業に対する融資者にとって重要な問題であることの知見を得ることができた。
研究期間全体を通じて、倒産企業に対する金融機関に対する融資を助長しつつも、それに対する裁判所や一般債権者による監督のバランスをとることが不可欠であること、事前の契約内容を優先しつつも、倒産法一般の目的からの制約が必要であるという研究成果を得ることができた。特に裁判所による監督の必要性を明らかにしたことにより、実務や立法者に示唆を得た点で重要な意義を有する。また、国内の問題にとどまらず、国際的な倒産における債権者の行動という今後の研究課題を発見することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 国際倒産の実務上の諸論点2017

    • 著者名/発表者名
      福岡真之介、井出ゆり、鐘ヶ江洋祐、杉山悦子
    • 学会等名
      東京大阪四会倒産法部シンポジウム「倒産と国際化」
    • 発表場所
      弁護士会館(東京都千代田区)
    • 年月日
      2017-03-30 – 2017-03-30
  • [図書] 注釈民事訴訟法第4巻2017

    • 著者名/発表者名
      高田裕成、三木浩一、山本克己、山本和彦編、杉山悦子ほか
    • 総ページ数
      1400(印刷中)
    • 出版者
      株式会社 有斐閣

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公開日: 2018-01-16  

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