本研究では、昨今、後見人等の不正な財産管理権行使が増加していることに鑑み、その濫用を回避するための一つの制度として、家庭裁判所による許可制度の導入の是非につき具体的検討を行った。ドイツ民法上の許可制度や未成年後見法改正に向けた議論状況を分析し、司法補助官等へのヒアリングも行った結果、許可制度の意義を明らかにし、実務上の課題についても指摘することができた。今後は、後見人等の不正行為対策として、許可制度の導入に加えて、家庭裁判所の機能分化、家庭裁判所以外の監督機関の設置等も視野に入れた検討が必要であるとの結論に至った。
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