本研究では、「帰属割当に依拠しない優先権」にかかわる問題について、以下の検討をおこなった。 第1に、ドイツ法における代償的取戻権について、日本法と比較しながら、その要件や効果を明らかにした。また、代償的別除権の可否についても、考察をおこなった。第2に、日本法の解釈論として、所有権に基づく物上代位の可否については代償的取戻権論の観点から、譲渡担保権に基づく物上代位の可否については代償的別除権論の観点から、それぞれ分析をくわえた。第3に、価値追跡について、オーストリア、ドイツ、日本における議論を通史的に考察するとともに、その基本的な問題について、理論的な検討をおこなった。
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