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2016 年度 実施状況報告書

商行為法の歴史的意義と今日的意義

研究課題

研究課題/領域番号 26380134
研究機関立教大学

研究代表者

松井 秀征  立教大学, 法学部, 教授 (30282536)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード場屋営業 / 寄託取引 / 運送取引
研究実績の概要

平成28年度は、場屋取引(場屋営業者に対する寄託取引)、仲介者をめぐる取引(仲立取引・取次取引)、および運送取引のうち、特に場屋取引について、比較法的・歴史的な調査、そしてわが国における立法の淵源等の調査を行ってきた。
場屋取引(ないし場屋営業者に対する寄託取引)については、わが国の旧商法時代からこれに関する規定が置かれていたところ、その淵源としてフランス法の寄託に関する規定にさかのぼれることが明らかとなった。また、直接の淵源ではないものの、ドイツにも宿泊にかかる役務を提供する事業者、あるいは飲食にかかる役務を提供する事業者に対し寄託を行った場合、18世紀末のプロイセン一般ラント法など、古くからこれを規律する法の存在することが明らかになった。
これらヨーロッパの規律の背景には、中世以来の宿泊事業者に対するある種の公的な規制が存在している。そして、このような古い法の規律をたどると宿泊にかかる役務を提供する事業者等と物の売買に関する仲介取引を行う事業者との区別があいまいになっていくことがわかった。ここから仲介者をめぐる取引について、検討を広げようとしたが、この点についてはまだ十分に研究を尽くすところまでは至っていない。
以上のほか、運送取引に関しては、現在のわが国において運送法・海商法の改正作業が進んでいる(商法の改正案が閣議決定にまで至っている)ことを踏まえ、個々の新しい規定について、過去の規定との異同を確認し、それに伴いそもそも過去の規定がどのような理由でその規定ぶりになっていたのか等、歴史的な研究を行った。
以上については、論文としての公表等を想定していたが、残念ながら時間が許さず、平成28年度には具体的な研究成果にまで至らなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

平成28年度は、現在就任している大学執行部の役職が極めて多忙であったこともあり、十分な執筆等の時間を確保することができず、残念ながら、研究した内容を論文等の成果にまでつなげることができなかった。

今後の研究の推進方策

平成28年度までにある程度必要な調査は進めてきているところであるので、本研究の最終年度となる平成29年度には、平成28年度に行うことのできなかった場屋取引(場屋営業者に対する寄託取引)ないし仲介者にかかる取引について、何とか論文の執筆を行い、研究成果としてまとめたい。
また、運送取引に関しては、シンポジウム等における報告の機会が予定されていることから、その際に今般の運送法・海商法の改正とこれまでの法規定のありようとの比較、さらには比較法的・歴史的淵源にもさかのぼった検討を行いたい。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度は、研究が思うように進捗しなかった関係で、未執行額が生じている。特に大学執行部を構成する職に就いていた関係で、外国に直接赴いて調査等をすることができず、旅費の使用がなかった。

次年度使用額の使用計画

次年度は、本研究にかかる成果について、外国におけるシンポジウムでの報告があり、またその際に一定の調査等も行えることから、受けた研究費を適切に使用することになると考えている。

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公開日: 2018-01-16  

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