研究課題/領域番号 |
26380135
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
箱井 崇史 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (60247202)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | フランス法 / 海商法 / 海事王令 / 海事裁判所 / アミロテ / アミラル |
研究実績の概要 |
平成26年度に、アミロテおよびアミラルの形成過程に関する研究に着手して、入手済みの2つの博士学位論文の訳出とメモ作成を始めた。しかし、すでに昨年の報告に示したように、本研究の研究期間開始とともに法制審議会幹事としての仕事が始まり、平成27年度において当初予定を十分に達することができず、また予定したフランス出張の延期も余儀なくされていた。 平成27年度においても、平成28年1月まで法制審議会幹事の仕事が継続し、また中間試案への意見書対応などに追われ、研究時間の確保が難しかった。それでも、前記学位論文のうち、アミロテを主題とする部分について、素読を終了して文献メモも作成することができ、今後、資料に照らしながらの精読に入ることができる段階となった。また、フランス出張にて探索すべき文献もかなりの程度まで明らかとなった。 そこで、平成27年度中に、フランス出張を実現しようと計画したが、今度は、パリで発生したテロ事件によりフランスにて非常事態宣言が発せられため、さしあたり出張を見合わせているところである。 以上のように、予期しない周辺的事情により、当初計画より大幅に遅れの生じていることは認めざるを得ないが、平成28年に入り、法制審議会幹事を退任してからは、急速に遅れを取り戻すべく、2つ目の博士学位論文の素読に取り組んできた。 平成28年度は最終年度であるが、上記の諸事情に鑑み、研究機関の延長を視野に入れつつ、年度半ばでのフランス出張も実現させ、研究を大きく進めたい。 そして、1681年フランス海事王令において確立されたアミロテの形成について研究ノートなどで公表したいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の申請後に法制審議会幹事に移植され、平成26年4月の研究期間の開始とともにこの職務がスタートしたことから、当初予定していた研究時間を十分に確保することができなかった。 この状況は、平成28年1月まで継続した。 また、フランス出張を予定していたところ、パリで発生したテロ事件のためにフランスで非常事態宣言が発せられたため、この実施も見送っている。 ただし、平成28年に入ってからは、遅れを取り戻すべく急速に本研究を進めている。 したがって、現段階では「遅れている」と自己評価せざるを得ないものと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年1月をもって法制審議会幹事の仕事が終了したので、遅れを取り戻すべく急速に本研究を進めていきたい。 関連学位論文の素読は2本目に入っているので、これを早期に完了させて、必要部分の資料を参照しての精読に入りたい。特に、1681年フランス海事王令において確立されたアミロテの実像に迫るとの課題について、形成過程を明らかにさせるよう研究を推進する。 また、海事王令第1編第1章から第6章までの個々の条文の分析も並行して進めたい。 延期しているフランス出張は、まず平成28年10月に実施する方向で準備しており、研究機関の1年延長も視野に入れつつ、ともかく前に進めていきたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
申請時に予想していなかった法制審議会幹事などの職務多忙、さらにフランスで発生したテロ事件とそれに伴う非常事態宣言により、計画していたフランス出張を延期せざるを得ないことになり、そのために次年度使用額が生じることになった。 また、研究の遅れもあり、研究費の使用が進まなかった面もある。 これが主たる理由である。
|
次年度使用額の使用計画 |
延期していたフランス出張を平成28年10月に行うよう準備している。 また、遅れを取り戻すよう研究を推進しており、関係書籍を購入する予定である。 次年度使用額は、これらのために使用する予定である。
|