研究課題/領域番号 |
26380135
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
箱井 崇史 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (60247202)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | フランス海事王令 / 海事裁判所 |
研究実績の概要 |
本研究の対象である、1681年フランス海事王令の海事裁判所(アミロテ)について、通読を終えていた2本のフランス博士論文(テーズ)のうち、C. Shenakenbourgの”L’AMIRAUTE DE FRANCE”の「提督」および「アミロテの組織」の翻訳結果を軸として、関連文献の蒐集および分析を行った。この部分は、最初の研究成果として公表することを予定しているものである。具体的には、同論文の第1部第1章「L’Amiral de france」の3節と、第2章「Les sieges d’amiraute」の5節を理解するために必要な文献蒐集および分析を行った。あわせて、Valinの注釈書の関連部分のメモを作成した(分量が膨大なうえ、難解な箇所が多く、全文の翻訳はひとまず措いて、骨子部分のメモを作成する方法を採用した)。 フランスの政情不安のために見送っていた第1回のフランス出張を、ようやく2016年10月に実施することができ、とりわけアンシャンレジーム期に関する歴史書など、法律書以外の新しい文献を発見、入手することができたのが大きな成果であった。同年12月に発注した文献が揃ったため、上記論文と関連させながら、「提督」および「アミロテの組織」について、17世紀当時の周辺的な状況の理解に努めるよう調査を行い、この点では大いに資するものがあった。 2017年1月からは、集めた文献の関連部分のコピーを整理し、必要な訳出の準備を行った。これにより、上記論文の関連部分について、さらに理解を深めることができた。 1年の研究延長を認めていただいたので、2017年中に最初の成果公表をしたいと考えているが、その前提を整えることができたものと思う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
まず、過年度の遅れがそのまま残っている点がある。本研究開始の2014年が、申請時には予定してなかった法務省法制審議会商法「運送・海商関係」部会幹事の任期開始と重なり、予定外の学内外の商法改正関連業務を行わざるを得なかった。 法制審議会商法部会は、2016年1月に終了したが、2016年はこの研究のかたわら、商法改正関係の論文2本を優先して執筆したため、これまでの遅れを十分に挽回することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
幸いにも、1年の研究延長が認められたので、継続中の研究を着実に実施することが最大の推進方策であると考える。 中間的に成果を公表する予定であった部分については、2017年中に実現できると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
フランスの政情不安による出張見送りおよび、申請後に決まった法制審議会商法部会幹事などの商法改正関連の研究等のため研究が計画通りに進まず、1年の延長を申請してこれが認められたため。
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次年度使用額の使用計画 |
当初計画で予定していた2回目のフランス出張を、適切な時期に実施するとともに、補充的な資料収集を予定している。 いずれも、使用時期がずれるものの、当初計画のとおりである。
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