世界的な先物隆盛の中、日本の商品先物は停滞している。原因の1つに縦割行政が指摘される。一元的制度を採用する香港とシンガポールと対比し、日本の現況に何らかの示唆を得ようと考えた。重複の解消、政策的意図をもった柔軟な施策の実行は一元的制度のメリットである。国家・行政機関と取引所・取引業者とが一丸となって世界的金融市場を目指す意欲とスピード感、試行錯誤を躊躇しない姿勢は参考になる。しかし、物流との関連で、取扱商品に精通する行政もまた重要である。商品先物は単なる金融商品ではない。商品市場の国際化は急伸しつつあり、ICEグループやNASDAQ=OMXグループの動向も注視しなければならない。
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