水利権は、権利譲渡に関して抑制的に機能する性質をもつ。なぜなら、水利権は水の利用・管理の具体的事実を伴う権利であるとともに、特定の目的のために必要な量と質の水を排他的かつ継続的に利用できる権利であると定義されるからである。このような権利内容から水の利用・管理の具体的事実を除外し、その定義から水利用の特定目的を取り除くことにより、権利が観念化され、水利権の譲渡が可能となる。すなわち、水利権につき一定の水量を利用できる権利として再定義し、観念化させることによりその譲渡の途を拓くことができるのである。
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