研究課題/領域番号 |
26380142
|
研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
池島 真策 大阪経済大学, 経営学部, 教授 (20308836)
|
研究分担者 |
平井 裕久 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (40399019)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 会社分割 / 信用力 / デフォルト確率 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、会社法・金融商品取引法分野の池島(研究代表者)と会計学分野の平井(研究分担者)、さらにファイナンス分野の丹波(研究協力者)の3人で、定期的に研究会を開催し、「会社分割」に関わる議論を行った。その成果として、「会社分割制度による信用リスクと企業価値の関連性」大阪経大論集65巻6号(2015年3月)を公表した。 以前、会社分割制度を取り上げ、利害関係者である株主がその制度に対していかなる評価をしているのかを定量的な観点から検証を試みたが、その結果、ケースごとに異なる企業の特徴による詳細な分析が必要であることから、本稿では、企業の信用度の違いによる市場評価の影響の差について、追加的に分析を行った。追加的な実証では、サンプル企業を信用力でグループ分けし、会社分割と株価変動の関係性を確認することで、信用力ごとの会社分割に対する市場評価の検証を行った。ここでの分析では、企業決算データ、株式関連データなどのデータからロジスティック回帰モデルで評価したデフォルト確率を信用力の尺度として使用した。分析の結果、信用リスクの低い企業に対する投資家の会社分割の評価にはばらつきがあり、変化しやすいということが示唆される。一方、デフォルト率が低く信用力の高い企業は、会社分割によって投資家よりポジティブな評価が得られていないことを示している。つまり、企業は業績の悪化などから業績の悪い部門を切り離しており、企業業績が思わしくないというシグナルを投資家に与えている可能性があろう。 会社分割には分割規模が大きく企業の今後の経営と業績に大きな影響を与えるもの、小規模な分割など分割規模の違うものが見られる、更に分割の目的も不採算部門の切り離し、部門統廃合によるスケールメリットの享受、持株会社化などさまざまなものが考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
定期的に研究会を開催し、その成果を公表した。
|
今後の研究の推進方策 |
2年目となる次年度は、定期的に研究会を開催し、論文・学会報告などの成果を目指したい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
日程調整により予定の回数を打合せ出来ず、またデータ収集に係る作業が残ったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度において、進捗度を上げるために行う打合せに補充し、またデータ収集も進める予定である。
|