本研究は、商標の出所表示機能が、知的財産権による保護の他の局面でも重要になっている点を明らかにした。特に、インターネットの局面ではサーチの際の出所表示機能が決定的となっていることを、法と経済学の視点等から検証した。その反面、商標の出所表示機能の意味を希薄化し、商標権の保護範囲を拡大すると、商標の自由利用に大きな弊害が生じうることが判明した。以上の2点が、著作権法(フェアユース、私的複製、侵害主体)・特許法(標準必須特許、ライセンス、損害賠償)における同様の利害状況においても生じうることを発見した。結果として、標識法特有とされてきた法理を創作法にも転用すべき場面が増加していることを見出した。
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