研究課題/領域番号 |
26380146
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
小谷 眞男 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (30234777)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / リベラルアーツ / 法学教育 / 法と科学 / 法と人文学 / 法社会学 / イタリア法 |
研究実績の概要 |
平成26年度はトリノ大学のM.Graziadei教授やペスカーラ大学のG.Di Plinio教授などによるイタリアの先進的法学教育の現場に参加し、自らもイタリアの学生らを相手にLA法学のセミナーをおこなった。とくに現地における具体的なケース・メソッドの教育方法論に着目して意見交換をおこなった。またミラノ控訴院で開かれた法と科学・科学技術に関する国際会議「誤判とDNA鑑定」にヨーロッパ圏外からの唯一の参加者として「袴田事件」について報告した。この会議は、イタリア司法官高等研修所Scuola Superiore della Magistraturaの法学教育プログラムの一環を構成するものでもあり「法と科学・科学技術」の分野における世界の最先端の動向に触れる機会を得ることもできた。さらにこれらのイタリアでの活動をきっかけとしてB.Pozzo教授やG.M.Zamperetti教授など、「法と人文学」の分野で注目すべき法学教育を実践しているインスブリア大学のスタッフらと研究交流を開始した。今度はZamperetti教授が学生らを引率して平成27年6月に来日する予定なので、日伊のLA法学について学生を交えて東京で議論する機会を設ける予定である。さらに、LA 法学教育実践の原理と方法を広く世に問うために、平成27年5月の世界法社会学会(RCSL2015、ブラジル)に参加・報告を申込み、「法学教育」のセッションでこれまでの研究成果等を報告し、主に中南米からの参加者と意見交換をおこなう。その準備のために、平成26年度中にLA法学教育関連の文献研究、調査結果の分析などを進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外の法学教育現場に自ら参加したり、関心を共有する法学教育従事者との国際情報交換を開始することができた。平成27年度中に予定されている中間的な研究成果の発表に向けての中間的整理作業も進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
ラテンアメリカで開催される国際学会で中間的な研究成果の発表をおこない、参加者との意見交換を通じて、今後の調査研究につなげる。とくに中南米地域における新たな調査対象の開拓ができるのではないかと期待している。ヨーロッパで開始した研究・教育上の交流は順調に発展している。次のステップとして、北米エリアにおける法学教育に関する調査を実施するための準備を始める。英語のみならずさまざまな言語で書かれた関係資料・文献の収集・分析を進める。日本国内の実践例にも関心を向け、国内調査も進める。
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