インターネットを経由してなされる名誉毀損は、広く拡散して世界中に被害を生じさせる可能性がある。その解決にあたっては、救済を求める地を決定し(裁判管轄権)、準拠法を明らかにする必要がある。しかし、裁判管轄ルール、準拠法指定ルールも、必ずしも各国で統一されているわけでなく、また実質法としての名誉毀損に関わる規定も内容が統一されているわけではない。Ehrenfeld判決を契機に英米での対応の違いが鮮明となり、その後両国の間では、アメリカ合衆国が主導する方向での統一が進んでいる。 わが国では、国際私法の観点からこれに対処することになるが、統一的な快傑という点では、アメリカにならった解決に帰着する。
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