医師と患者との間に契約関係が存在すると想定し、(解釈における)典型的な医療契約類型からさらにその成文化(法典化)へと、理論的接合をはかる研究を行った。中心的な研究成果は、現在わが国に立法例の存在しない医療契約法について、比較の好条件を備えた直近の立法例であるドイツの医療契約法を立法学上の視点から分析し、有意な示唆を獲得したことである。さらに周辺的な成果として、国内の他の非対称な契約の法典化(消費者契約法、労働契約法)を同一視点から分析し、本研究内容の相対化・客観化をはかった。 本研究は、新民法の制定を待って、最終的なわが国の医療契約法(案)の提案に向かうものである。
|