本研究の課題は、貧困・格差の拡大に対し、民主主義が果たす役割を検証することにある。このため、インドの5州を選択し、選挙調査を含む現地調査を展開した。その結果、貧困・格差の拡大が一つの主要な要因となって2014年下院選挙は政権交代が起こり、2015年ビハール州州議会選挙では、現職が再選されたことがわかった。同時に、新政権の元で、宗教的少数派に対する迫害が激化したこともわかった。これら少数派の弾圧と貧困・格差の拡大を直接に結びつけることは難しいが、この関連性につき今後更に深く検証していく意義があることがわかった。
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