本研究の最終年度である平成28年度においては、「総裁選における国会議員の支持動向調査」と「属性データの収集・補完」の完了を目指して作業した。 前者の「総裁選における国会議員の支持動向調査」については、本研究の前身となる『自民党総裁選出過程の研究――2000年代の変化を中心に』以来、継続して調査を続けてきたが、本年度、ようやく完了した。具体的には、「1990年代以降」の「自民党総裁選」における「所属議員の投票行動」について、新聞記事の検索サービス等を利用し、投票や推薦、支持に関する情報を体系的に収集した。対象となった総裁選は下記のものである。 1991年10月、1993年7月、1995年9月、1998年7月、1999年9月、2001年4月、2003年9月、2006年9月、2007年9月、2008年9月、2009年9月、2012年9月(計12回、確認作業やクリーニング作業をほぼ終了し、計量分析用ソフトウェア形式へのデータの変換、基礎統計の算出などを実施中)。 後者の「属性データの収集・補完」については、従来の『国会便覧』だけではなく『国会要覧』も対象に含めて、データの収集と整理を進めてきた。後者を追加した理由は、いわゆる「2世・3世議員」の情報が充実しており、それらに関するデータを体系的に集めることが可能となるからである。 上記のデータを分析することにより、本研究の課題である『自民党総裁選出過程の変容とそのメカニズムの解明』を実現することができる。今後、国際学会等で報告する予定である。また、本研究に関連する成果として、自民党内の制度化(ECPR Joint Sessions)、アジアにおける国際比較(International workshop)について議論した。
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