EU代表民主主義の「潜在的な発展可能性」をとらえるために、欧州議会内会派とユーロ政党の役割に迫ることが、本科研プロジェクトの基本目的である。ただし、欧州議会内会派やユーロ政党をそれぞれ凝集性のある単一の政治行動主体とみなして相互の関係を追うといったアプローチ方法は取らない。そうではなく、それぞれの「組織内差異化構造」の認識を目指し、その認識をベースに、困難な挑戦にさらされているEU代表民主主義の「潜在的発展可能性」の理解を試みようとした。そこでこの「組織内差異化構造」を認識するべく、現実主義、理想主義そして懐疑主義の3つの理念的志向を各欧州議会内会派および各ユーロ政党に探っていった。
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