フランスでは、基礎自治体の広域化が、合併ではなく、「コミューン間協力型広域行政組織(EPCI)」と呼ばれる制度枠組みでおこなわれてきた。実際1960年代以降、課税自主権を有するEPCIがその数と影響力を拡大しているが、その組織運営をめぐっては住民による民主的統制の欠如が指摘されてきた。 本研究では、同国におけるこの問題への対応を「EPCIの(直接/間接)民主主義改革」と把握し、ここでは特に①共同体評議会の選挙制度改革と②参加民主主義機関(開発評議会)の設置という2つの試みについて検討した。とりわけ②については、リール市やレンヌ市での現地調査を通じて、その実態を明らかにした。
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