研究課題/領域番号 |
26380182
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
庄司 香 学習院大学, 法学部, 教授 (20515647)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 政党候補者選出方法 / 候補者公募制度 / 予備選挙 / インタヴュー / ボツワナ政党政治 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトの2年目にあたる平成27年度は、ボツワナ研究を中心に進めた。ボツワナについては1年目に調査活動ができずなかなか見通しが立たずにいたが、平成27年度末にようやく現地での予備的調査を開始することができた。ボツワナは現地での調査に政府許可証を必要としており、その申請にあたってどのようなアプローチが最適か、ボツワナ大学の政治学や法学の研究者に助言を請うことができた。また、政党関係者はじめ、様々なキーパーソンとのネットワーク構築を行った。ボツワナ政府からの調査許可が下り次第、平成28年度中に2回の現地調査を行い、各政党の予備選挙について、導入の経緯、制度設計、実施実態、その結果と評価などをまとめる予定である。 日本の自民党の候補者指名については、公募出身議員によるスキャンダルが相次ぐなかインタヴューがしづらい時期もあったが、昨年度同様、都内でインタヴュー可能な対象から少しずつ調査を進めている。平成28年は参院選が終わる夏以降政党関係者へのインタヴューがしやすくなるので、残る事例について一気に調査を進める予定である。 アメリカの候補者指名については、当初想定していた共和党内のティーパーティー対主流派という構図自体が大統領候補トランプ氏の躍進で揺らぐなか、民主党側にも左派サンダース氏の大活躍が見られ、オキュパイ運動とのつながりが指摘されるところとなった。そのため、分析の焦点を、両党の大統領候補指名争いが連邦議会選挙の候補者選びにもたらす影響に設定しなおし、左右両極の草の根運動とのつながりも含めて鳥瞰するアプローチにシフトした。 以上のように、研究対象の3カ国いずれもまだ具体的な研究成果を公表できる段階にいたっていないが、最終年度に向けて残る課題が明確になっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究が遅れ気味の理由のひとつは、ボツワナのように調査許可を必要とする国での調査が思うように進められずにきたからである。また、ボツワナ、アメリカ、日本の3カ国ともインタヴュー手法に重きを置くアプローチであるため、現地への調査旅行の時間がなかなか確保できないことが障害となっている。
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今後の研究の推進方策 |
3年目はとにかく、3カ国の現地調査を期間内にすべて終えることを第一の目標とする。そのために、わずかな休暇や自由期間も最大限活用し、すべてに優先して時間を確保していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額が大きいのは、ボツワナとアメリカでの現地調査が思うように進まなかったことが大きい。そのため、旅費だけでなく、その成果となるインタヴュー記録の整理に使うはずであった人件費がかなり残った。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年となる平成28年度には、すべての現地調査を終えることを第一の目標として、年間の計画を立てている。
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