本助成により、最終年度には国際ワークショップでの報告1本、国際学会報告2本、公刊論文3本を公にすることができた。国際ワークショップは、研究代表者が組織したもので、世界各国からロシアおよびウクライナの政治経済エリートに関して先端的な研究を行なっている研究者を招聘した。代表者は、ロシアの官僚エリートに関しての報告を行い、好評を得た。同ペーパーは改定の上欧米の査読誌に投稿する予定である。国際学会報告は、まず英国スラブ東欧研究学会でパネルを組織し、ウクライナ危機がロシア政治体制に与えた影響を考察した。同ペーパーは改定の上Russian Politics誌に投稿し、掲載された。また、スラブユーラシア東欧研究学会(アメリカ)では、ハリコフとドニプロでの現地調査に基づき、野党ブロック党に関する報告を行った。なお、ヘルシンキ大学アレクサンテリ研究所でも、野党ブロックに関する報告を行ったことを付言しておく。同ペーパーは米国の査読誌に投稿中である。 公刊論文は、上述のRussian Politicsのものを除くと、ロシア革命100周年を記念した論文集『ロシア革命とソ連の世紀』第3巻にペレストロイカ時代の政治改革についての論文を公刊した。これは、本研究課題の基礎となるものである。また、ロシア政治体制に関して、上記英語論文の改訂日本語版(構成も含めて変更してある)が近刊予定であり、3月末段階で初校校正済みである。 本研究課題では、申請時に予想しなかったウクライナ危機があり、現地調査の予定など変更を余儀なくされたが、期間内に、論文(著書の章も含む)を9本最終的に公刊することができた。
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