研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、まず、在京米大使館のインテリジェンス活動に関する一次資料の収集に力点を置いた。米国メリーランド州カレッジパークにある米国立公文書館を以下の日程で訪問し、資料の収集をした。第1回平成27年7月27日から8月3日、第2回平成27年8月24日から8月31日、第3回平成28年1月5日から1月11日、第4回平成28年3月14日から3月21日である。 平成27年度は、昨年度同様、おもに在京米大使館が作成した文書ならびに本省へ送付した電報を収録したRG84 Japan; U.S. Embassy, Tokyo; Classified General Records, 1952-1963の資料を収集した。このシリーズは、120ボックスほどあるが、今年度は、ボックス番号4, 9-14, 17, 19-21, 23-24, 27, 30, 32-37, 39, 41-42, 44-49, 51-58の資料を収集した。そのほか、収集した資料の主なリコードナンバーだけを挙げると、RG59 Decimal File 1950-54; RG59 Central Decimal File 1955-1959; RG59 Central File 1967-1969等である。 資料収集とは別に、研究業績として、「日米安保条約にもとづく事前協議制度の原型」「在日米軍の刑事裁判権放棄に係る日米密約の原型」「沖縄の施政権移行期に交わされた密約」が公刊された。拙著『日米安保条約と事前協議制度』に加え、今年度の研究では、在日米軍の刑事裁判権について、在京米大使館と外務省との交渉過程の詳細が明らかになった。また、これまで明らかにされなかった沖縄の施政権移行期における新たな密約も解明した。
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