研究課題/領域番号 |
26380191
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
加藤 創太 国際大学, 付置研究所, 教授 (50449419)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 制度 / 制度転換 / 比較政治経済学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、政治経済制度の転換が、経済アウトプットに一時的にマイナス影響を及ぼすことを理論と実証で明らかにする点にある。本研究代表者はこの点に関して以前に、簡易な理論モデルと日本の年別・産業別データを使った実証分析を行ったが、本研究ではより汎用性が高い理論・実証研究を行う。 2015年度はまず2015年5 月に中西部政治学会の年次学会(査読付)で"Political Economic Transition and Output Loss: Evidence from Japan."を発表した。反響が良かったため、その後はこの論文の理論及び実証部分を発展させることに注力し、ミシガン大学など各所で発表を行いフィードバックを受けるとともに、国際的な学術誌への投稿をする準備を進めた。同時に、制度間の転換スピード差についての実証研究など、本研究から派生的に生じた研究を進めるとともに、一連の研究を書籍(英文)にまとめる作業も始めたところである。 2015年度は並行的に、本研究を多国間に拡張する作業も進めた。実証分析に必要な各国の制度転換についてのデータの収集・整理作業を行った。また理論的にも多国間分析のための修正を行った。来年度は、多国間モデルでの理論・実証分析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2015年5月に発表した論文"Political Economic Transition and Output Loss: Evidence from Japan." が良い反響を得たため、国際的な学術誌への掲載を目指し、各所でのフィードバックを受けつつ慎重に理論及び実証の検証を行った。また一連の関連研究の書籍化を目指す作業にも多大な時間を要した。 以上から、多国間データの収集・分析作業などは当初の想定より遅れ気味だが、全体としては理論・実証双方における研究全体のレベルの向上につながっており、良い意味での回り道になっていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は3年計画で進めており、3年目となる次年度においては、今までの研究成果を学術論文誌などに投稿するとともに、多国間データの理論・実証分析を論文の形にまとめたい。同時に、一連の研究を英文書籍化する作業も進めていく。その際には、日本などにおける具体的なケーススタディを、理論・実証モデルの補完として行う予定である。上記の作業をすべてこなすと作業量が膨大になるため、アウトプットの形になると見込めたものに焦点を置き、メリハリをつけて研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年度は今までの理論及び実証理論の発展に尽力したため、机上の作業が中心となった。また、政策シンクタンクから研究費が助成されたため、研究費の出費が当初より少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
今後は、多国間データを中心にデータ収集・整理の費用が大きく増えると予想される。また、研究成果発表のための出張とその成果を持ち運ぶパソコンの購入なども必要となる。
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